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創業の歴史・精神

語り継ぐべき創業者の想い

写真:前⽥清近と家族

昭和30年代後半(創業前後)

⿅児島県・隼⼈町にて前⽥清近と家族

サンハヤトの社名は、勇猛で俊敏な「薩摩隼⼈」がルーツ。

そのDNAには、どんなことにも勇敢に挑戦する精神が刻み込まれている。

サンハヤトの創業者・前⽥清近(1918年・大正7年生まれ)は、⿅児島県・隼⼈町の出⾝で、この辺りには、古来より勇猛さと俊敏性を兼ね備えた「薩摩隼⼈」が住んでいた地域で、サンハヤトはこの町にルーツがある。

そんな前⽥清近が、戦後上京し、1962年(昭和37年)に創業したのがハヤト産業(後のサンハヤト)である。(ちなみに、お得意さんから「ハヤトさん、ハヤトさん」と親しみを込めて呼ばれていたことから、これをひっくり返し後に社名を「サンハヤト株式会社」と改めた)。この頃の時代背景は、戦後の混乱期から⽴ち直り、東京オリンピック開催決定の機運も相まって、⽇本中が「さぁやるぞ」と活気と希望に溢れていた。⽩⿊テレビ・洗濯機・冷蔵庫の家電が三種の神器ともてはやされ、エレクトロニクス産業が⽇本の経済成⻑を⽀える中⼼になろうとしていた。そんな時代の空気を機敏に読み取り、設⽴されたのがサンハヤトの始まりである。

「接点復活剤マインド」を胸に

サンハヤトは、創業者の前⽥清近が⽇本で初めて接点復活剤を開発・商品化したことから⽣まれた会社である。 サンハヤトの創業前、電機技師としてテレビの修理に対応することの多かった前⽥清近は、来る⽇も来る⽇もロータリースイッチの交換に追われていた(ガチャガチャ回すチャンネルの部分)。電気リレー接点の通電を改善(=復活)さえできれば、ロータリスイッチそのものを交換する必要はないのに、わざわざチャンネルを付け替えるなんて⾯倒だな…。なんとかもっと簡単に修理を完結できる⽅法はないか…。その想いで、知⼈の⼤学教授の協⼒を得て、電気の流れを絶縁オイルのトンネル効果によって劇的に改善する⽅法を発⾒し、「接点復活剤」を⽇本で初めて⽣み出したのだった。そのおかげで、全国のサービスマンが簡単にチャンネル不具合の修理ができるようになった。そして、この接点復活剤が⼤⼿エレクトロニクス企業でも採⽤されヒットしたことから会社が設⽴されることとなった。さらにすごいのは、接点復活剤の誕⽣が「エレクトロニクス⽤途の潤滑剤」という新たなジャンルを⽣み出し、⽇本の電⼦機器産業の発展に多⼤なる貢献を果たすこととなったのだ。これは、本当にすごい。

このように、サンハヤトの原点は、「顧客のお困りごと」に現場視点で向き合い、もっといい解決策はないか?と創意⼯夫を凝らし、よりよい製品を発明するという姿勢にある。これを私たちは「接点復活剤マインド」と名付ける。どれだけ時代が変わろうとも、私たちは、この創業の精神「接点復活剤マインド」(=顧客視点×挑戦⼼×創意⼯夫)で、これからも製品を⽣み出し続けることを誓います。なぜならこれがサンハヤトの原点であり、追い求める理想の姿であるから。

写真:接点復活剤
写真:ロータリースイッチ

3代目代表メッセージ:
「 2023年は第⼆創業元年、“失われた30年”をブチ壊すために」

図:サンハヤト株式会社の売り上げ(1962~2020)

2023年、2代⽬・佐々憲夫の後を継いで、私・佐々⻯太郎が3代⽬としてサンハヤトを継ぎます。その⽬的は、30年近く停滞し続ける会社をV字回復させるためだ。かつて⽇本の⾼度経済成⻑とともにエレクトロニクス産業を⽀え発展したサンハヤトは、今や日本の“失われた30年とともに90年代以降、下降線を辿っている。

このままでいいのか?

私が何よりショックだったのは、2018年に私が前職の日本テレビを退職し、30年ぶりにサンハヤトにやってきた⽇の出来事だ。

かつて私が⼦供だった頃、祖⽗・前⽥清近や⽗・佐々憲夫に連れられて会社にやってきた時には、フロアは活気に溢れ、威勢のいい声が⾶び交っていた。「おお、会⻑のお孫さんか!ちょっとこれ⾒てみろ、凄いんだぞ〜」とよくわからない電⼦基板のようなものを⾒せられた。まるで千と千尋の神隠しの湯婆婆の館に迷い込んだような熱気に満ちていた。

それが……30年後、「こんにちは!」と私が挨拶しても、誰も振り返って挨拶すら返してくれない。ものすごくドヨーンとしていて、いったいこの30年の間にサンハヤトに何があったの!?と⼤きなショックを受けた。その⽇の光景が忘れられない。

後にわかったことだが、サンハヤトは⽇本の“失われた30年”の⼀例に過ぎず、失ったのは売上や利益ではなく、⼈々の活気そのものだった。

ならば私の経営者としての使命は明確だ。私は、サンハヤト(そして⽇本の社会)のおかげで何⼀つ不⾃由ない幼少期を過ごすことができた。今こそ恩返しをする時だ。30年以上成⻑が⽌まっている会社を、そして⽇本を、もう⼀度めちゃくちゃ元気にしたい。

そして、同じように売上や利益、そして⼈々が活気を失い苦しんでいる中⼩企業は⽇本に五万とある。私は、3代⽬としてサンハヤトを⽇本の中⼩企業改⾰のロールモデルとなるようV字回復させ、⽇本を再び元気にする原動⼒となりたい。

不可能なことなんてない。サンハヤトで働いてくれている⼤切な⼤切な社員が、再びキラキラと輝けるように、2023年をサンハヤトの第⼆創業元年とし、再び成⻑する会社に⽣まれ変わることを誓います。

私たちのDNAには、困難に挑戦し、創意⼯夫で新たな道を切り開く “接点復活剤マインド”が刻まれている。


2023年7⽉

サンハヤト株式会社

3代⽬代表取締役社⻑

佐々⻯太郎